ベトナム・ダナンで日本語による介護教育、1期生修了式

新年おめでとうございます。

旧年中は大変にお世話になりました。新年のご挨拶が遅くなり、申し訳ございません。

昨年は、2年目を迎えた「ベトナム人医療福祉人材養成プロジェクト」にとって、エポックメーキングな年でありました。

ベトナム保健省、ダナン医療技術短期大学、社会福祉法人千寿会、NPO AHP NETWORKSの四者協定により、2010年9月に始まった、ダナン医療技術短期大学日本語−介護クラス1期生は、8月で日本語課程を修了。続いて、社会福祉法人千寿会(岐阜)からケアマネージャーが介護課程の講師として赴任し、9月からの11月までの3か月に渡って、「ベトナムにおける、日本語による、初めての介護教育」が行われました。日本語課程を終えた学生のうち、自ら希望した19名が介護課程に進み、全員が無事に修了することができました。

また7月には、日本−ベトナムEPA(自然人の移動)の日本側交渉団の視察があり、学校の見学ととも日本語クラスを参観され、EPA看護・介護におけるベトナム人の可能性を伝えることができました。

授業参観では、介護場面のロールプレイを行い、学生達は大奮闘。「介助者」「利用者」に分かれ、日本語を使って淀みなく「車椅子への移乗」を行う学生達に、視察団からは感嘆の声があがっていました。

そして、12月7日。学生達の企画で、司会・進行、通訳も全て学生達による、「日本語だけを使った修了式」が行われました。

本学の学長、千寿会の理事長の祝辞の後、修了証授与の際には、修了生ひとりひとりが日本語で挨拶しました。
そして、サプライズで介護講師のO先生に、日本語でお礼の歌を贈り、式は最高潮を迎えました。

突然のプレゼントにO先生はもちろんのこと、列席してくださったベトナム人の学校関係者も感極まった様子でした。


学生達による、学生達のための、手作りの修了式。

「日本語能力試験」受験直後の日程であったため、ほとんど準備の時間もとれない中、学生達は最高の舞台を自分たちで作り、そして立派にやり遂げました。「あいうえお」の第一歩からひとりで教えてきた日本語教師として、学生達の成長の姿を誇りに思います。


本プロジェクトを、学生達を支援してくださった、みなさまに心から感謝申し上げます。
修了式では、まだ開講3か月目の日本語クラスを訪問してくれたAHPの仲間、学生達が実習時にお世話になっていたダナン病院に赴任している日本人看護師の仲間からもメッセージが届き、ご披露させていただきました。その一言一言に対して、学生達は目を潤ませながら、頷きながら拝聴していました。ありがとうございました。


日本では、まもなく日本−インドネシアEPAによる介護士候補者が、国家試験受験の時を迎えます。日本語で介護を学んだ仲間として、心からエールを贈りたいと思います。ぜひ、よい結果が生まれることを、祈っています。

フィリピンも含めて、1回目、2回目の看護師国家試験の結果が芳しくないこともあり、外国人に対する介護・看護分野への門戸を広げることを疑問視する声も聞こえてきます。当初のスキーム作りも含めた日本語教育、また受け入れる事業所さんの支援体制等も、大きな過渡期を迎えています。

そんな中で、これからEPAの細かい枠組みが決まっていくことが決まったベトナムにおける、初めての介護教育への取り組みの一定の成功は、新しい可能性を示していると考えます。

1年3か月、日本語と介護を学び、手作りの修了式を成功させた19名のベトナム人の輪が、もっともっと大きな輪となって昇華していくことを願ってやみません。


ダナンの教室では、2期生の日本語教育が始まっています。カリキュラム等の見直しを行い、より一層高いレベルの日本語力、そして介護を学ばんとする心を育てていく所存です。

また、1期生の優秀者が日本での介護実習を行うべく、準備を進めています。
そして、日本−ベトナムEPAが始まれば、希望する学生は参加することができます。

みなさま、今後とも引き続きご支援くださいますよう、お願いいたします。

本年も、よろしくお願い申し上げます。


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