年始は「漢字100問テスト」から
4日、朝のチームDから2011年の授業を再開した。
授業とは言っても、いきなり「漢字100問テスト」からの再開である(笑)
ここまで、メインで使っているテキストに準拠した漢字教材を、自学自習用として学生に持たせ、授業の進度に合わせて適宜実施してきた漢字のテスト。字義や言葉としては授業でも触れるものの、主に自習に任せてきた。ところが、徐々に「記号」ではなく「表意文字」なのだと気づき、より積極的に漢字に接し始めた学生たちから、「先生、この本は○×△□」と教材の欠点、、、、と言うか、学習上の愚痴が聞こえ始めた。
もちろん、その教材の「勉強しにくい」部分は重々承知していたのだが、学生に気付いて欲しいと思い静観していたわけである。
僕の指導を理解して、学ぼうとすればするほど、この教材は使いにくい。使いにくいことに気付いた学生は、ちゃんと漢字を学んでいると言うことなんだな。
ま、簡単に学生たちの愚痴を書くと
1.「書く順番がわかりません。先生が黒板に書く時も見ますが、わかりません」(書き順が示されていない)
2.「漢字だけ書きます。漢字の後のひらがなを書きません。どの字まで単語ですか?」(送り仮名が明確でない)
3.「先生がひとつの字の意味を教えます。私たちはわかります。意味と意味で単語です。私たちはわかります。でも、この本は字の意味がありません」(字義が載っていない)
まあ、正直に言うと漢字の練習帳なのに、辞書が必要なのだ(笑)それなのに、「漢越和字典」が手に入らない…
と言うわけで、作りましたよ。オリジナルの教材。とりあえず、今回の試験範囲だけ年末に。そして、今も夜な夜な続きを。
はい。話は4日の朝に戻ります。
教室に行くと、なんだこの熱気は。みんなノートやプリントの裏側を使って、書きまくっている。ちょっと覗いてみると、書き順も正しく書いているようだし、きちんと送り仮名も含めて「単語」で書いている。しかもご丁寧に「辞書形」(日本語教育では「終止形」を辞書に載っている形ということで「辞書形」と呼ぶ)に直して。よしよし。
でもね、今回の試験に関しては、満点取ってくれる学生がいないと怒るよ!こっちは年末、ほとんど寝ないで教材作ったんだから(笑)
結果です。100点満点1人、99点2人、97点3人………、平均90,3点。思い切って、95点未満を不合格とした。
学生たち、と言うか、ベトナム人の学生たちと接していていつも思うのだが、本当に頑固だ。自分で納得しないと先に進まない。「まあ、いいや」がないのだ。言い方を換えると融通が利かない。だから、「最短距離で納得しやすい」授業と教材が必要ということになる。
今回の試験、学生たちは僕の意図を理解して、4か月前まで見たこともなかった「漢字」の自習に取り組み、応えてくれた。
「先生、常用漢字表の字が見えません」(恐らく複写の繰り返しなのだろう、印刷が悪くて見づらい)とか、
「漢越熟語辞典を貸して下さい」と言ってくることも増えてきた。
方向性ははっきりしてきた。授業と並行して、「学習者の立場に立った漢字教材の開発」が、今年の僕の重点課題となる。
そんなことを再確認することできた「年始の漢字100問テスト」だった。
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