ダナン、ミステリーツアーは……

もう昨年の話か(笑)クリスマス前の話題で恐縮です。

「努くん、漢字に燃えちゃった」件の続きをUPしなければならない。12月28日の記事「はなののののはな」、そして「千字文字典」と「四書」の続きである。

「はなののののはな」の最後に、次の様に書いた。

と言うわけで、漢字教材は自作するしかないか…と、思い立ったわけなのだが、、、実は、漢字についてはもう一つ、僕に火を点けた出来事があったのだ。話は更に一週間前に遡るのだが、、、、、、

はい、12月19日の日曜日の話。

チームD(短大を卒業した学生のクラス)の学生が、数日前から「日曜日に山に行きましょう」と言い出した。朝7時に出発などと、よくわからないことを言っている。あのねえ、遠くに遊びに行く暇あったら、もう少し勉強してくれよ…と思って、正直乗り気ではなかった。結局「寒いから、山は雨期が明けてから」と言うことになった。

すると、今度は「14時に集合します。先生、みんな日本語だけ話します。ベトナム語は話しません。先生は、どこに行きますか?知りません。」

はい?なになに?要するに、行き先を教えてくれないわけ?

バイクに乗って出かけるとは言え、午後からなら遠出ではなさそうだし、まあ、最近このクラスは頑張っているから、たまには息抜きもいいか…と思って、話に乗った。実は、学生の一人がプライベートでゴタゴタがあり、学生たちが気晴らしをさせてあげようとしていることは薄々わかっていたんでね。

結局、「14時出発」「バイクで移動」「最後にご飯を食べる」「日本語しか話さない」の4点だけしか教えてくれなかった。

こんな時間からなら、どうせボーリングに行って、ゲームセンターで遊んで、ご飯食べて終わりだろうと思いつつ、ダナン・ミステリーツアーに出発(笑)娯楽の少ないダナン。想像はつく。

チームD が、暴走族になった(笑)

案の定、行き先はボーリングが入っているショッピングセンター。

なに?全員、初体験なの?なにそれ(笑)教えながらやると、スコアが伸びん(笑)

6人で投げて、ジュースも飲んで82万ドン。まあ、そんなもんでしょ。学生たちは自分たちで全部払うつもりだったようだけど、僕が払って外に出る。

今度はサッカーゲーム。ま、予想通り。


さて、次は食事かな?と思いきや、いきなり学生たちが僕の手を引っ張って、隣の本屋に連れて行こうとする。
へ?なになに?みんな、ニヤニヤしながら、辞書が並ぶ書棚の一角を指さすのだ。

あ、あれは、チュノム辞典。そう、ベトナム漢字の辞典である。いやいや、ダナンの本屋にはないと思っていたんだけど、こんなところで発見するとは…

でも、これね、高いんですよ。2冊組みで1冊60万ドン。辞書は全部揃わないと意味ないから、120万ドンか…5千円。
ちょっとね〜、と思っていると、学生たちがとんでもないことを言い出した。

「先生、1冊、私たちが買います。もう1冊、先生が買います。良いですね〜」

良いですねって、60万ドンだよ!60万ドン!おばちゃんの屋台で、昼食1ヶ月分だぞ!

「高いよ〜。みんな、大変でしょ?」
「大丈夫です。先生、先生が辞書を使います。私たちに教えます。私たちは勉強します。だから買います」
まあ、理屈として間違ってはいないけど…………泣かせることを言いやがる。

そこで、ふと思った。この子たち、「チュノム字典」を僕が欲しがっていて、大学の近くの本屋を探しまくって、見つからなかったことを知っている。要するに、この店にあることがわかっていたから、僕を連れてきたくて、それで今日はボーリングだったのか…

そうか。よしわかった。買いましょう。学生たちの気持ちを、素直に受けることにした。
軍資金は、今日来てない学生からも集めて、1人5万ドン程度らしい。そのぐらいなら、ボーリングも奢ったし、後で食事の時にお礼することにしよう。

再び、暴走族になって大学に戻る。しかし、僕が乗っているホンダの「Bさん号」は遅い。辞書が重いのだ(笑)

次は食事かな?ところが「先生、まだ食事ではありません。先生が行きたいところです」って、どこ?(笑)

  

途中、ミーケビーチで海を見てはしゃぎ、大きな観音様があるお寺へ。

  

「先生、お寺には漢字があります。みんな意味があります。先生は好きですね。私たちはおもしろいです」
この子たち、実は自分たちが遊びたいんじゃなくて、僕を楽しませようとしてたのか…

みんな、線香を買って来て、仏様ひとつひとつにきちんとお参りしている。こんなに熱心に参拝するとは思わなかった。ま、ひとり熱心な仏教徒がいるんだけど。

市内に戻るころには、すっかり暗くなっていた。漁り火がきれいだった。

学生が楽しみにしていた「食事」はピザ。

しかし、、、そんなにケッチャップをかけなくても充分に美味しいし、手で食べた方が美味しいと思うぞ(笑)


そして、今日のミステリーツアーにはまだ先があった。

  

「オック」たにし。僕が授業中に、「ハノイの西湖のオックはうまい!」と絶賛しているのを聞いて、「ダナンのオックもおいしい!」と反論していたのだ。

もう十分にお腹が一杯なのだけど、たしかにダナンのオックは美味かった。

そして、「先生、今日は漢字の1日でした。先生は、嬉しいですか?私たちは、楽しかったです」

ミステリーツアーなんかじゃない。用意周到に準備された、「漢字ツアー」だったのだ。


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