thai do(タイドー)と態度の関係
チームD、チームN、共にひらがな・カタカナ・数字の導入が終わり、発音練習もかなり上達してきた。
今週は書き取りを中心に、発音の徹底を図りつつ、少しずつ漢字に意識を向けさせていくことになる。
と言うわけで、今日の授業前半は、なぜ仮名が生まれたか。
簡単に言うと、時期的には正確には分からないのだが、遅くとも奈良時代初期に
それまで喋りことばしか存在しなかった日本に、当時の中国から漢字が入って来て表記が可能になった。
その漢字を徐々に崩して平易にしていったのが仮名。
日本と同じ経緯で、文字が存在しなかったベトナムに中国から漢字が伝わった。
時期的には日本と大差なかったのではないか、、、、、と言う話は難しくなるので、別の機会に譲って、
要するに、ベトナムにも漢字が入ってきたわけだが、日本が崩して簡単にしていったのに相反して、ベトナムは難しくしてしまったのだ。中国の漢字で表記できないベトナム独特のことばに、漢字を創作して当てはめ、ベトナム語を中国伝来の漢字+ベトナム漢字(チュノム)で表記することになった。
そして現代。日本は、漢字仮名交じり文が定着し、戦後の一時期に日本語の完全ローマ字化なんて提案もあったわけだけど(今でも、そのような主張は存在するし、学会や研究会も存在する)、まあ、我々が使っている日本語表記方法が存在する。
ところが、ベトナムの場合は
漢字をどんどん増やしてしまった結果、識字率が上がらず、フランスによる植民地化と共にアルファベットが入ってきて、「漢字なんか捨てなさい!」指令(それを近代化と位置づけたのだそうな)によって、発音そのものをアルファベット表記していった現在のベトナム語表記だけが残って、漢字文化が表面的には消えてしまったわけ。
ま、その件も難しくなっちゃうので別の機会に譲るけど、僕が参加している(いた?)日本ベトナム教育セミナーでは、ベトナムの国語の先生たちと漢字、古典教育の必要性を何度も議論してきた。
さて、今日の授業の話。
ベトナム語で thai do(正確には声調符号なども付く)と書き、その隣に漢字で「態度」と書く。
さらに、chu y と書き、漢字で「注意」と書く。
そして、ベトナム語を発音させた後で、漢字にふりがなを付ける。
thai do(タイドー) と たいど、 chu y(チューイー) と ちゅうい
元が中国から伝来してきた単語なので、日本でもベトナム語でも音読みの形で同じように、同じようなよく似た音で残っているわけ。もちろん、意味は一緒。
本当は、もう少し学習が進んでから話さないと完全には理解できないのだけど、これから日本の介護を学ぼうとする学生たちなので、早めに漢字に触れさせ、難しい専門用語にも抵抗がないように導いていかなければならない。そんなわけで、最初は漢字をホワイトボードに書いただけでしかめっ面をしていた学生たちも、ベトナム語との共通項に気付いただけで、表情がパッと明るくなった。
成功!(笑)
さあ、明日から漢数字を手始めに、漢字も合わせて教えていきましょうかね。
今日の昼食は、いつもどおり通称「おばちゃんの屋台」なんだけど
カー(魚)+ムック(烏賊)の海鮮ぶっかけ飯にしてみました。
ダナンに来てから、新鮮な烏賊の素朴な味にはまっています。
あ、そうそう、チームD(社会人チーム)の学生たちが
「今度の日曜日にカフェに行きませんか?」と誘ってくれている。楽しみ。
それと、英文のメモを見せられて、
「外国語大学の学生でも4年間かかるのに、私たちは、本当に日本語を話せるようになりますか?」
そんなん、来年の夏までに、日本語の介護の授業が理解できるようにしてやるから、安心してついてこいって!
今、ベトナムは午前3時。
ダナンは、真夜中のスコール。
風雲急を告げているなあ。