最後の模擬試験

週末、日曜日に迫った日本語能力試験に向けて、最後の模擬試験が終わった。

細かいことを言い出すと、正直キリがないし、
実際、不安定な得点状況であったり、苦手分野が克服できていない者や、正直、目標点に到達していない者もいる。

でも、今更何だかんだ言っても始まらない。
もう、各自「何が足りないか」は十二分に自覚しているであろうし、僕が殊更に言っても仕方がない。

あとは、自分の思いに対してどこまで真剣に向かい合うことができるか、である。

もちろん、本当は「今から」ではなく「今までにどこまで真剣に向き合ってきたのか」なんだけど、正直、ベトナムの若者たちにそこまで求めるのは酷なのかもしれない、、、否、酷なのだと思う。

「今まで、本気になって、しゃかりきになって勉強したこと、ないでしょう?」

約22か月、介護課程や日本での介護研修を挟んでいるので、実質的に集中して日本語を勉強したのは16か月ぐらいであろうか、それだけの時間をかけて日本語能力検定N2レベルに到達したある学生に、僕は問いかける。

ベトナムの学校教育の中で、試験をクリアするのは、正直「暗記」でかまわない。と言うよりも、そう言う試験しか経験してきていないのだから、しゃかりきになって勉強しなくても、それなりの人生を歩むことはできる。

だから、本当に必要なときに、必死に事に向き合うことが難しいのだ。

しかし、ダナンの日本語・介護クラスの学生たちは、既に短期大学を卒業して、看護師の資格を持っている人たちである。その人たちが、次にステップに進もうとして外国語を学ぶなんて、要するに人生を懸けているわけだ。

その自覚を、本人たちも、僕も、そして学生たちを支援する学校も、社会福祉法人も、しっかり持つ必要がある。失敗は許されない。失敗してはいけない。

でも、それでも、最後は本人の思いが重要。

N3?N2?いや、実際にEPAで日本へ行って、介護士候補者として就労し、働きながら介護士国家試験の準備を「自分で」するためには、3年間という限られた時間の中で介護士国家試験に合格するための学びを、自分の力でするためには、N1持っていても足りない。

たかがN3,たかがN2なのである。

それだけの自覚が、我々日本語教師にあるのか?

EPAの看護師・介護士候補者を受け入れる日本に、
受け入れをとりまとめる国際厚生事業団に、実際に受け入れる医療法人、社会福祉法人に、
それだけの覚悟があるのか?

否、ないのが、そこまで考えていないのが分かっているからこそ、言ってるんだけどね(笑)

でも、それでも、自分の人生なのだから、最後は学生たちの「自助努力」にかけるしかない。
周囲の者がとやかく言うことではないのだ。


さあ、明日の金曜日は、試験前最後の授業である。
もう僕の仕事は、最後にちょっとだけ背中を押してあげることだけである。


「本番もこの調子でいこうぜ!」と言いたい筆者と
「不安ですが頑張ります」という学生たちに、
バナークリックで最後の一押しをお願いします(笑)
↓↓↓↓↓↓↓

にほんブログ村 教育ブログ 日本語教育へ
にほんブログ村