ベトナムの学生、変わってきたのかな?

ここ数日、学生たちが「日中関係」に興味を持っている。
当地ダナンのテレビ(地上派)ではベトナム国内のテレビ放送の他に、CNNやら、CATV(中国中央放送)、NHK Worldなども視聴することができる。日本語放送はないのだけど、海外に出ると日本人が日本の要する伝えてくれるのはありがたい。

NHKを視ていると、先日までは某国の将軍様の話題ばかりで辟易していたのだが、ここ数日は、まあ、要するに船長を帰しちゃった問題ですな。

そんなわけで、学生たちも自宅から通っている子たちは報道などで情報を入手しているのだろう。

ベトナムと中国は、基本的には仲が悪いわけで、それは歴史的な経緯を見てもわかる。しかし、商業流通面では持ちつ持たれつの面も多く国境から遠いダナンでも中国製品が溢れている。その一方で「領海」問題というものも存在していて、ま、偶発的・散発的にはいろいろ起こっているのだそうだ。

学生たちは総じて、今のところ日本贔屓。
今後、日本語学習に手こずり出すと評価が変わるかもしれないが(笑)

実際、東南アジア諸国、これはインドも含めてなんだろうけど、各国は「負の経験」として共通して植民地支配を受けた経験を持っている。そして、中国が主張する領土、領海の「理屈」は、その昔の「大東亜共栄圏」にそっくりなわけですよ。

言い方を変えると、これは「帝国主義的進出」なわけで、周辺各国は、それも総じて国力(経済・工業などに限ってだけど)面では中国に劣っているわけだ。 脅威なんだろうなあ。あくまでも、僕個人の主観ですが。

学生たちは、意外というか、まあ当然なんだけどインドに興味を持っている子たちが多く、「インドネシア」はうまく発音できなくても「インド」は流ちょうに発音するんだな(笑)
EPAの関係があるから、インドネシア・フィリピンにも関心を持って貰いたいところなのだが…

そのインドだって、IT面の充実は言うまでもないけれど、コミュニケーション語として英語を使っていることも+に作用して、急速に飛躍的な発展を遂げている反面、インフラ整備や保険衛生面は相当遅れているわけで、ま、ベトナムも似たようなもんだけど

つまり、中国という国は地域的には巨大先進国家なんだな。
また昔の日本や、欧米先進国のように、帝国主義的進出をされたら…と考えると、怖いと思いますよ〜


ま、中国の言動についての論評は控えますが、そのことよりも
学生の反応が、ちょっと嬉しかった。


学生たち、テレビで見たのであろう情報から考えたことを
まだ知っている語彙数が80語にも満たない日本語を駆使して、僕に意見を述べようとしている。
中国は悪いと、言っているのがわかる。

どっちが悪いかって話は別として、今興味を持っている最大のターゲットである日本が直面している問題に興味を持ち、自分の意見を持ち、伝えようと努力している点は、「ベトナム人、変わってきたな…」と感じている。

だって、今まで僕が接してきたベトナム人学生たちは
例えば枯れ葉剤がなんちゃらとか、ベトくんドクくんがどうしたと話を向けても、

「わかりません。私たちには関係ありません」

だったからね。

彼女たちに伝えてあげたいこと、僕が思っていて話したいことを、今話しても伝わらない。
でも、いつの日か、日本語で語り合えたら、彼女たちはどんな「意見」を語ってくれるのだろうか。

楽しみではある。