今度は、「初めての食事介助」&・・・・・・。

さて、ダナンC病院で血液検査を受けたところ、血糖値が高い!
と言うわけで、急遽生涯初の「点滴」を受けることになった。
とにかく、何もかもが初体験の不安の中、授業を中止して「連行」してきてくれた学生たちの
ナースとしての立ち振る舞いに、ちょっと感動、、、、

これが前回のUP「なんてこった!初めての点滴(2)」までのお話。

午後の日本語能力試験「N2合格クラス」のメンバーは7人。
このクラスは2011年9月から2012年11月まで日本語・介護クラスで学んだ学生のうち、選ばれて日本の社会福祉法人千寿会で介護研修に参加する者も含めて、N2レベルまで更に日本語を学ぼうという、意欲的な学生のクラスである。
従って、自己学習能力はある程度高いので、「自習」にしても各自で有効活用できるクラスである。

とは言っても、日本語能力試験まで残り3週間。残された時間は少ない。「すまぬ、スマヌ」と思いながら、なかなか減らない点滴薬を眺めていると
ナースがベトナム語と英語チャンポンで話しかけてきた。点滴のラインに、別の薬を入れながら要はリラックスさせてくれたのですかね?

心電図を撮るということで、学生たちがYシャツのボタンを外してくれる。なんだ?この何とも言えない気恥ずかしさは(笑)


18時を過ぎて、教室で自習していたメンバーも揃ってきてくれた。
みんなハイタッチで挨拶を交わしたものの、やはりベッドに横たわって点滴を受ける「せんせ〜」の姿には、多少なりともショックを受けた様子。

そんな中、飲み水をと言うことで、ミネラルウォーターの「La Vie」(ラ・ヴィ)のペットボトルを買ってきてくれたトゥイ先生、「はい、先生!ラ・ビールです!」って、あんた大学の教員なんだから駄洒落はよしなさいっての!(笑)
しかし、ラ・ヴィがベトナムの水の中で一番オイシイ、、、というのは、ベトナム在住の方ならばどなたも同意して頂けるのではないだろうか。

で、そのラ・ビールを飲む。喉が渇くのは、点滴の影響か、それとも根本の病気の問題なのか、、、。
学生曰く、両方なのだそうだ。

さて、学生たちは邪魔にならないようにと、外で待機しつつ、誰かしらはベッドサイドにいてくれる。
嬉しいんだけど、だんだん「俺、本当に病気なのかもしれない、、、」と思い始める。

やはり、「病は気から」である。

何となく気が滅入ってきて、ふと、ベッドサイドにしゃがみこみ、じっとこちらを見ている学生のつぶらな瞳に気づいた瞬間、こりゃ、覚悟を決めなきゃいけないかな?と。
偶然の検査で、とんでもない数値が出たんだから、今後は節制するのは当然として、お気楽ご気楽に考えてちゃダメだなと。
当面、日本語能力試験まで、どうやりくりするか、、、、毎日授業できるのか?と、頭をグルグル駆け巡りだしたとき、

「先生、私たちのことを心配しないで、今は自分の身体のことを考えてください」

この、「察する」ということの大切さを、僕は2年近くにわたって語りかけてきた。ナース、、、いや、介護士として「気づく」ことがどれだけ大切なことかを。
ちゃんと身についているのだな〜と、思った。

とは言ってもね、、、「なあ、この前話したことだけど、もうご両親や恋人と話したの?」と、先日の個人面談の話題を振る。そうでもしないと、、何か話さないと頭の中がおかしくなりそう。
「いいえ、まだです。それより先に、N2の試験に集中しています」

そりゃ、そうだよな。野暮な質問だった。

「先生、私のことより、自分の健康のことです」

ま、そうだね。

19時を過ぎると、この時間から24時間の病院実習にやってきた、うちの大学の看護学生が駆け込んできた。
そうそう、日本語・介護クラスの1期生の時は、現役生(短大3年生=当時)のクラスがあって、17時から19時の授業が毎日。授業終了後、大急ぎで実習に移動する学生がいたなあ。
と思い出していると、やってきた看護学生たち、「え?あれ?」と言う顔をしながらも、笑顔で会釈してくれる。

何せ、学内唯一の外国人教師なので、有名人なんです。僕は(笑)

そして、全部で4回ですかね?「血圧測定の練習台に使うなっての!」(笑)


現場のナースたちは奥で食事をしているようで、ヌクマムの匂いが漂ってくる。
そろそろお腹が空く時間ではあるが、まあ、点滴薬の残量を見ると1本目が終わりつつある。もう一本(抗生剤らしい)は小さいので、まあ1時間ぐらいか。どんなに遅くても8時過ぎには終わるだろうから、ビールは飲めない(飲まない)にしても、いつもの日本食「北国」の営業時間には間に合うかな?
と、のんきに構えていたところ、、、、、

食事を終えたのかナースが登場し、まだ、1本目が残っているのに2本目にラインを付け替えた。
あ、そういうもんなの?これなら意外と早く終わるかも(笑)

ところが、、、である。
学生たちがぞろソロやってきて、、「先生、晩ご飯は何を食べますか?何が食べたいですか?」すかさず「ビール!はダメだから、、、でも、もうすぐだから、良いよ」
学生たちはニヤニヤしながら、「先生、まだ1本あります。あと、2時間以上、、、、まあ、21時半ですね、終わるのは」

はあ?まだあるの?
ゲンナリと言うか、うんざりと言うか、、、食欲? どこかに行っちゃった(笑)

学生たちには、「遅くなっちゃうから、帰って勉強しなさい」と指示を出す。
もっとも、みんないなくなっちゃうと困るわけで(笑)その辺りは、「自宅組」と「下宿組」に分かれて「下宿組」が残ることになったようだ。

「先生、ごめんなさい。今日は帰ります。お大事にしてください。失礼します」おお!正しい日本語だねえ。さすが、日本での介護研修経験者!

やがて、「先生、お待たせしました。お食事です。今夜のメニューは、先生の好きなチャオガ(鳥粥)です」
いやさ、チャオガは好きだよ。大好きですよ。でもね、病院のベッドでお粥食べたら、もろに病人みたいじゃないの!(笑)

美味しそうなんだけど、、、、、左手には点滴のラインがつながっており、右手しか使えない。日本の病院のベッドのように机のようなものはないので、「左手で茶碗を持って、右手に箸(スプーン)」という基本動作ができないのである。

はい、お待たせしました。本日のブログのお題「初めての食事介助」でございます。

写真には写っていませんが、横からああでもない、こうでもないと指示を出すトゥイ先生。
馬耳東風で食べやすいように工夫してくれるユンさん。
ありがとうね。

と言うわけで、この後、「初めての(点滴ぶら下げたままの)排泄介助」ってのもあったわけですが、省略。
あ、もちろん、自分でしましたよ(笑)

さて、ようやく3本目の「生食(生理食塩水)」が終わり、もう一度、少し残っていた最初の1本にラインを戻して全て終了。
もう、21時半を過ぎていた。

明日は、午前中3期生の授業をやってから、14時に診察。どうなることやら。

と言うわけで、次回は「初めての、訪問看護」編に続きます。


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